行政書士レイ国際法務事務所

なぜ偽装結婚をするのか?

14/02/24

こんにちは。行政書士の東麻未(ひがしあさみ)です。

先日、大相撲の元関脇が虚偽の婚姻届を提出し偽装結婚したとして、韓国籍女性とともに逮捕されたという報道がありました。
逮捕容疑は韓国籍女性の在留資格を取得させる目的で、元関脇を夫とする虚偽の婚姻届を提出した疑い。元関脇は「本当の結婚で、いずれ一緒に暮らすつもりだった」と容疑を否認しているようですが、韓国籍女性は「永住者の資格を取るためだった」と認めているようです。

今の段階で真意はわかりませんが、永住者の資格をとるためになぜ虚偽結婚をしようとしたのでしょうか。その答えは、「永住者」の在留資格をとるための条件にあります。

永住者の在留資格を取得するには、主に以下3つの条件があります。

1.素行が善良であること 
2.独立生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件)
3.その者の永住が日本国の利益に合すると認められること(国益適合要件)

「日本国の利益に合すると認められること」というと、すごい事のように聞こえますが、以下の条件に当てはまっていれば概ね認められます。

a.原則として継続して10年以上日本に在留していること。
b.罰金刑や懲役刑を受けておらず、納税義務等公的義務を履行していること。
c.現に有している在留資格について、最長の在留資格をもって在留していること。
d.公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。

「永住者」を取得したい外国人の方にとってなかなか難しいのが、上記aの原則10年在留という条件なんです。しかし、原則10年在留には特例があります。それが今回の「日本人との結婚」です。

日本人の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していれば、在留期間が10年以内でも、永住許可がされます。

その他にも原則10年在留の特例はありますが、日本人と結婚すれば、10年が3年になるというのは、すごく大きいです。今回の事件のようにこの特例を悪用して偽装結婚することはいけませんが、きちんと実体を伴った婚姻生活を送っているのに、この特例を知らず、10年を待っている方もたまにいらっしゃいます。

もしかしたら、永住許可の可能性があるかもしれません。永住許可の条件に該当するかどうか分からないという方は、ぜひ一度ご相談ください。