行政書士レイ国際法務事務所

遺言書作成のメリット

14/03/18

こんにちは。行政書士の東麻未(ひがしあさみ)です。

巷では、「事前に相続争いを防ぐために遺言書を作成した方がいいですよ」という記事や宣伝を見ますよね。確かに、遺言があれば、遺産の分け方で紛争が起こることは防止できます。
でも、うちはそんな争いとは無縁だしな…でも必要なのかしらという疑問をよく耳にします。

遺言の必要性が特に強いケースと、絶対必要という訳ではないけどあった方が便利ですよというケースがありますので、ご紹介させて頂きます。

初めに、遺言の必要性が特に強いのは以下のケースです。

1 夫婦の間に子供がいない場合
2 再婚をし,先妻の子と後妻がいる場合
3 長男の嫁に財産を分けたいとき
4 内縁の妻の場合
5 家業等を特定の者に承継させたい場合
6 孫に遺贈したい、誰に何を承継させるか財産を指定したい等希望があるとき
7 相続人が全くいない場合

法定相続では、希望が叶わないと思われるケースです。
例えば、夫婦の間に子供がいない場合、法定相続だと、夫の財産の4分の3は妻ですが、4分の1は夫の兄弟が相続することになっています。やはり長年連れ添った妻に財産を全部相続させたいという場合は、遺言が必要になってきます。

上記のような事情はないし、うちは争いとも無縁ですよという場合でも、相続が発生後(亡くなった後)、遺言があると手続きがスムーズにいきます。

相続が発生すると、遺産は相続人が取得しますが、妻、長男、長女等、相続人が複数いる場合、1人の相続人が遺産を勝手に動かすことができません。

例えば、遺産の中の預貯金から葬儀費用を出したいと思っても、預貯金口座が凍結されるので、簡単には預金の引き出しができません。

解除するには、全相続人が協議をして遺産の分け方を決める遺産分割協議を成立させることが必要です。この遺産分割協議は1人でも反対の相続人がいれば成立させることができないですし、実際には、遺産分割協議書を作成して相続人全員が実印を押したり、戸籍、住民票、印鑑証明書等を準備するという手続きも必要です。最近、仕事や結婚によって、海外で生活しているという方も多いですが、相続人が海外在住だと、一層、時間がかかります。

遺言があれば、この問題は起こりません。

遺言があれば、遺言執行者(遺言内容を実現する人)が責任を持って内容を実現します。 預貯金があっても遺言執行者が単独で引き出しなどの必要な行動をして、遺言で指定されている人に迅速に引き継ぐことができるのです。

その他の不動産、株式、車等についても、遺言がある方が名義変更は比較的簡単に済みます。