行政書士レイ国際法務事務所

許可制、登録制、免許制、何が違うの?

15/05/24

こんにちは、行政女士の東麻未です。
ドローン(無人飛行機)が免許制に?のつづき。
許可制だとか、登録制だとか、免許制だとか言ってますが、何が違うのでしょうか。

本来、憲法で職業選択の自由が保障されています。
でも、全く規制を行わないでいると、今回のドローンのように安全性に問題が生じる恐れがありますね。
だから、一定の人にだけ国が認可を与えます。

日本の行政省庁は、許可、認可、免許、承認、指定、確認、検査、検定、届出、証明、認証など多数の規制権限をもっています。こうした許認可権限は、現在1万件を超えています。
日本の行政書士は1万件超の許認可に対応するために、日々勉強なのです(笑)。

代表的な許認可は、許可、認可、免許、登録、届出の5種類です。
「知ってる!私、自動車運転免許持ってるよ。」と思った方、
実は自動車運転免許は、「免許」ではなく、「許可」です。

1.許可
許可は、一般に法で禁止した行為を解除して、適法に行為できるようにする行政行為をいいます。例えば飲食店営業の許可、自動車運転免許もこれにあたります。

許可は、申請を受けた行政官庁に裁量(行政官庁のもつ自由な判断の余地)が認められるので、仮に申請自体に不備がなかったとしても申請が拒否される(不許可となる)場合があるところに特徴があります。

行政書士が、許可申請を依頼されたときに、経験上100%大丈夫だと思っても「絶対に大丈夫です!」と言えない理由もこのあたりにあります。申請自体に不備がなくても、拒否される可能性があるわけですから…。はっきり「大丈夫です!」と言ってほしいクライアント様のお気持ちもみんな良くわかっているんですよ。

2.免許
免許は、特定の資格を持った者に権利や地位を与えるものをいいますが、実は学問上の分類ではないのです。行政法学上の分類でいうと、「許可」か「特許」にあたります。運転免許、医師免許などは、行政法学でいう「許可」、地方鉄道業の免許、漁業免許などは、行政法学でいう「特許」の性質をもちます。

特許は、国民が本来有していない特別の権利や地位などを新たに与える行政行為です。許可と同じように、申請を受けた行政官庁に裁量が認められますが、その裁量の幅が許可よりも更に広いといわれています。

つまり、ドローンが免許制になった場合、許可の性質をもつものか、特許の性質をもつものか分かりませんが、いずれにしても、行政庁の自由な判断の余地が入ることになります。

3.登録
登録というのは、所轄行政機関に書類を提出し、帳簿に登録されれば成立します。許可、免許と大きく違うのは、行政庁の自由な判断の余地が入らないということです。判断をしないから登録までの時間も一般的に早いです。

法律条文上は「登録」と記述してあっても性質的に「許可」であるものもあって、一概には言えないですが、『行政庁の自由な判断の余地』があるかないかがポイントですね。そんなところを意識して動向を見ているとちょっと面白いかもしれません。